「ホテル御三家(日本三大ホテル)」の定義と選定理由
ホテル御三家とは、1960〜1970年代の高度成長期に台頭し、日本で最も歴史と格式、そして一流のサービスを誇る3つのホテルを指します。
| 帝国ホテル東京 | The Okura Tokyo | ホテルニューオータニ | |
|---|---|---|---|
| 立地 | 日比谷 | 虎ノ門 | 永田町 |
| 開業年 | 1890年 | 1962年 | 1964年 |
| 客室数 | 919室 | 508室 | 1,474室 |
| 料金帯(目安) | 約4〜6万円 | 約8〜12万円 | 約3〜6万円 |
| 雰囲気 | 落ち着いた格式 | ラグジュアリー | 賑やかで広大 |
| おすすめシーン | ビジネス | 記念日・特別な体験 | 観光(ホテル内で完結) |
「ホテル御三家」という言葉が定着したのは、1980年代に世界各国の首脳が集うサミットが東京で開催された頃です。東京サミットの宮中晩餐会のケータリングと国賓の宿泊施設として、外務省が3社を指定したことが「ホテル御三家」と呼ばれる由来とされています。
ホテル業界にはほかにも「新御三家」「新々御三家」といった区分がありますが、1960年代から続く歴史と伝統を持つ点が、御三家ならではの特徴です。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
「帝国ホテル東京」
帝国ホテル東京が誕生したのは1890年。明治維新後、日本が海外と対等な外交関係を築くために、本格的な西洋式ホテルを必要としていた時代です。渋沢栄一や大倉喜八郎らが国からの要請を受け、当時の外交施設「鹿鳴館」の隣に建設しました。現在も国の外交の拠点のひとつとして活用されています。
帝国ホテル東京の強み:最高のサービスと安心感
✅ クリーニングサービス
預かった衣類をただ洗うだけでなく、ポケットの裏まで確認してゴミを払い、ゆるんだボタンはさりげなく縫い直し、小さな破れは目立たないように修繕して返却します。映画俳優のキアヌ・リーブスが映画「JM」の劇中でアドリブとして「クリーニングを頼みたい、できれば東京の帝国ホテルのやつを」とセリフを入れたほど、世界中のセレブにその質が知れ渡っています。
✅ スタッフの情報共有・記憶力
宿泊・レストラン・ロビーなど全部門がゲストの情報をリアルタイムで共有し、滞在がスムーズになるよう連携しています。また、ドアマンは何百・何千人ものVIPの顔と名前、乗ってきた車のナンバーを記憶し、車を降りた瞬間に「○○様、お帰りなさいませ」と出迎えます。
💡 豆知識
日本のホテルで今や当たり前となっているサービスの多くは、帝国ホテル東京が発祥です。バイキング(ビュッフェ)・ホテルウェディング・ホテル内ショッピングモールなど、日本のホテル業界を長年にわたってリードしてきた存在です。
「The Okura Tokyo」
1962年、大倉財閥の総帥・大倉喜七郎によって開業。欧米ホテルの模倣ではなく、日本独自の美しさと日本人ならではのきめ細やかさを融合させた、世界に誇れるホテルを作りたいという強い想いから誕生しました。和の要素を巧みに取り入れた内装や庭園は世界から賞賛され、オバマ大統領をはじめとするアメリカ歴代大統領、イギリスのダイアナ妃、マイケル・ジャクソン、ジョン・レノンなど、多くの世界的著名人が宿泊してきました。2019年に「The Okura Tokyo」として新たなスタートを切っています。
The Okura Tokyoの強み:洗練された空間
✅ オークラロビー
ロビーには古墳時代のアクセサリー「五行玉」をモチーフにした格子状の美しい照明が広がります。中央のテーブルを囲む漆塗りの椅子は、真上から見ると満開の梅の花の形になるよう正確にデザインされており、一歩踏み入れた瞬間から日本の「和」を感じられます。
✅ 抜群の立地と設計
各国大使館が集まる港区虎ノ門の小高い丘の上に位置し、周囲からの見通しを遮りやすい構造になっています。セキュリティとプライバシーの保護に優れた立地です。また2019年に誕生した中層棟は、ロビーから客室まで一般宿泊客と動線が分かれており、極めて高いプライバシーとセキュリティを確保しています。
💡 豆知識
「世界一のフレンチトースト」として知られるThe Okura Tokyoの名物メニュー。このフレーズを世に広めたのは元駐日アメリカ大使のマイク・マンスフィールドで、「私がこれまでに食べた中で世界一最高のフレンチトーストだ」と絶賛したことが「世界一」の語源とされています。その後アメリカ政府関係者の間で口コミが広がり、第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュ氏も滞在中に好んで注文したという逸話が残っています。
「ホテルニューオータニ」
1964年の東京オリンピック開催を前に、政府からの要請を受けた大谷重工業社長・大谷米太郎が自身の私有地を提供し、わずか1年半という驚異的なスピードで完成させた超大型ホテルです。「ザ・メイン」「ガーデンタワー」「ガーデンコート」の3つのホテルから成り立ち、江戸城外壁に囲まれた広大な庭園は東京の観光名所としても名高い存在です。御三家の中で唯一、建て替えをせずに現存しています。
ホテルニューオータニの強み:圧倒的なスケールと飽きない空間
✅ 1万坪の日本庭園
敷地内にある日本庭園には錦鯉が泳ぐ池や高さ6メートルの滝があり、東京都内とは思えない空間が広がります。かつて加藤清正の下屋敷だった場所で、400年以上の歴史を持ちます。海外サミット(主要国首脳会議)の晩餐会会場としても使われてきた格式ある庭園で、宿泊者以外も無料で散策できます。
✅ 30を超えるレストラン
ホテル内には30店舗以上のレストランがあり、あらゆるジャンルの食が揃います。パリで400年の歴史を持つ世界唯一の支店「トゥールダルジャン東京」(最高峰フレンチ)、360度回転展望レストラン「VIEW & DINING THE SKY」、全国のスイーツ好きが訪れる「パティスリーSATSUKI」など、食だけで旅の目的になるほどの充実ぶりです。
💡 豆知識
東京オリンピックに間に合わせるため、17ヶ月で1,000室以上を建設する必要があったニューオータニ。通常の工法では浴室・トイレ工事が絶対に間に合わない状況のなか、TOTOと共同開発し、工場であらかじめ組み立てたユニットを現場に搬入・設置する「ユニットバス工法」を日本で初めて大規模に採用しました。今や当たり前となっているユニットバスは、この時に生まれています。
まとめ:日本三大ホテルの選び方
日本三大ホテル「ホテル御三家」の特徴を振り返ります。
| ホテル名 | おすすめスポット・体験 |
|---|---|
| 帝国ホテル東京 | バイキング発祥の地「インペリアルバイキング サール」、館内テラコッタ見学、カフェラウンジ |
| The Okura Tokyo | 伝説のフレンチトースト(朝食)、茶室体験、オークラロビー見学 |
| ホテルニューオータニ | 1万坪の日本庭園、パティスリーSATSUKIのスーパーショートケーキ、回転展望レストラン |
それぞれのホテルが持つ独自の歴史と「おもてなし」の哲学は、単なる宿泊体験を超えた、日本文化そのものの体験です。目的やシーンに合わせて、ぜひ一度現地で一流を体感してみてください。
一流のサービスを提供する側に挑戦してみたい方へ
都心の高級ホテルや料亭でのお仕事に興味がある方は、リゾートバイト.comの求人もご覧ください。















