期間工の年収は、性質の違う4つのお金の合計
期間工の収入は、毎月同じ額が振り込まれる形ではありません。入ってくるタイミングも、金額の決まり方も違うお金の組み合わせです。求人によってはさらに細かく分かれますが、ここでは求人票の年収例を大きく左右する4つを取り上げましょう。
毎月の基本給
期間工の給与の決め方には、日給制、時給制、月給制があります。日給1万円の求人で20日働けば、所定の労働に対する賃金は20万円という計算です。
求人票に「月収例30万円」と書かれている場合、その内訳に基本給以外のものが入っている可能性があります。残業代、深夜勤務の手当、交替勤務の手当、食事の補助。これらを足した数字が月収例として示されている形です。
基本給だけでいくらになるのかは、求人票の給与欄を分けて読む必要があります。日給や時給が書いてあれば、そこから計算できます。
残業と深夜と休日の割増賃金
工場の製造は交替制が多く、基本的には日勤と夜勤が入れ替わる形です。深夜の時間帯に働けば深夜の割増がつき、残業をすれば時間外の割増がつきます。
求人票の月収例が基本給より大きくなる理由のひとつが、この部分によるものです。逆に言えば、生産の状況によって残業が減れば月収も下がります。
ここは求人票の数字を読むときに、いちばん誤解が起きやすい部分でしょう。割増賃金が法律でどこまで決まっているかは、4章で条文を確認します。
満了金
契約期間を満了したときに支払われるお金です。満了慰労金、満了報奨金といった呼び方があり、両方を設けている会社もあります。
毎月の給与とは別に、契約を終えた時点でまとまって入る形です。出勤率が条件になっているものもあり、その場合は遅刻や欠勤があると減ったり受け取れなくなったりする場合もあります。
契約の途中で辞めた場合に受け取れるかどうかは、求人票や就業規則の定め次第です。年収例に満了金が含まれている求人は少なくないので、ここは応募前に読んでおきたい部分になります。
入社祝い金
入社にともなって支給される一時金です。金額も支給の時期も求人によって違い、入社時にまとめて支払われる形もあれば、分割で支払われる形も見られます。
ここが重要なのですが、入社祝い金は入社したときの一度きりのお金です。翌年も同じ額が入るわけではありません。この性質が、求人票の年収例の読み方を左右します。2章でくわしく見ていきましょう。
期間工という働き方そのものについては、契約の仕組みから「期間工は人生終わり」と言われる理由は?契約の仕組みと辞めたあとの選択肢で説明しています。
よく見かける「年収400万円から550万円」は何を足した数字なのか
期間工について書かれた記事や検索結果の要約では、年収の目安として400万円から550万円という幅がよく挙げられています。
はじめにお伝えしておくと、期間工の平均年収を示した公的な統計は確認できませんでした。国税庁や厚生労働省の調査に、期間工だけを抜き出した数字はありません。つまりこの400万円から550万円という幅は、公的な統計ではなく、求人の条件から計算された数字だということになります。
では、どう計算されているのでしょうか。
月収を12倍して一時金を足す計算
計算の式を明かしている記事によると、月収に12を掛け、そこへ入社祝い金や各種の特典を足しています。
月収30万円なら12か月で360万円。ここに入社祝い金と満了金を足せば、400万円台から500万円台の数字が出てくる形です。式としては単純で、間違ってもいません。
ただし、この式には2つの前提が隠れています。12か月ずっと同じ月収が続くことと、一時金を全額受け取れることです。どちらも、そうならない場合があります。
入社祝い金が入るのは最初の1年だけ
まず一時金のほうから見ていきましょう。入社祝い金は入社時の一度きりなので、2年目にはこの分が入りません。
分割払いの求人であっても、支払いが終われば同じことです。1年目の年収を押し上げていた要素のうち、ひとつが翌年には消えてしまいます。
満了金のほうは、契約期間を満了するなど所定の条件を満たした場合に支給されるものです。支給の時期、金額、更新したときの扱いは求人によって違います。
1年目と2年目の数字は、同じ意味ではない
つまり「初年度年収540万円」という数字と、「2年目の年収」は、そもそも中身が違います。基本給が上がって2年目のほうが高くなる求人もありますが、その場合でも構成は変わっているのです。
求人票の年収例を見るときに確かめたいのは、次の3点になります。
- それが何年目の数字なのか
- 基本給以外に何を足しているのか
- 何時間の残業を前提にしているのか
この3つがそろわないと、ほかの求人と比べることができません。同じ「年収」という言葉でも、比べられるものと比べられないものがあるのです。
国の調査と比べるなら、基準をそろえる必要がある
「期間工は一般の会社員より稼げる」という説明を見かけます。比べること自体は有益ですが、何と何を比べているのかがそろっていないと、結論そのものが変わってしまいます。
国の調査で給与を扱ったものは2つです。どちらも基幹統計(国の行政機関が作成する公的統計のうち、統計法に基づき総務大臣が指定した特に重要な統計のこと)ですが、測っているものが違います。
国税庁の平均給与は、実際に支払われた額
国税庁の民間給与実態統計調査は、源泉徴収票をもとに1年間の給与の実態を調べたものです。令和6年分の結果は次のようになっていました。
| 区分 | 平均給与 |
|---|---|
| 1年を通じて勤務した人の全体 | 478万円 |
| 正社員(正職員) | 545万円 |
| 正社員(正職員)以外 | 206万円 |
全体の478万円は、給料・手当403万円と賞与75万円を合わせた額です。給与所得者は6,077万人、うち1年を通じて勤務した人は5,137万人でした。
国税庁企画課データ活用推進室「国税庁の民間給与実態統計調査」
区分の呼び方は、この調査が使っているものをそのまま載せています。「正社員(正職員)」と「正社員(正職員)以外」です。調査によって呼び方が違うので、ほかの統計と並べるときは注意してください。
もうひとつ注意したい点があります。期間工について語られている記事の多くが、令和4年分の数字で比較しているのです。令和4年分では正社員(正職員)が523万円でした。令和6年分では545万円になっています。
| 調査 | 全体 | 正社員(正職員) | 正社員(正職員)以外 |
|---|---|---|---|
| 令和4年分 | 458万円 | 523万円 | 201万円 |
| 令和6年分 | 478万円 | 545万円 | 206万円 |
令和4年分から令和6年分までの2年間で、正社員(正職員)は22万円上がりました。古い数字と並べると「期間工なら正社員と同じくらい稼げる」という結論が出しやすくなりますが、最新の数字で並べると差が開きます。比較の結論が、使っているデータの年によって変わってしまうということです。
賞与が入っているかどうかで、比べる相手が変わる
もうひとつ見落としやすい点があります。国税庁の478万円という数字は、給料・手当403万円と賞与75万円の合計でした。国税庁はこの関係を賞与割合として公表しており、令和6年分は18.5パーセントです。平均給料・手当に対する平均賞与の割合という定義になっています。
期間工の求人では、賞与の代わりに満了金や入社祝い金が設けられている場合があります。賞与の欄そのものがない求人も見られます。
この場合は比べ方が変わってきます。賞与のない働き方と国税庁の478万円を並べても、片方だけが賞与を含んだ数字になってしまうのです。賞与を除いた部分どうしで見るなら、給料・手当の403万円のほうが近い比較になります。
賞与があるかどうか、あるとすればいくらかは、求人票の給与欄に書かれているはずです。年収例に何が含まれているのかを読むときに、あわせて確かめておきたい部分でしょう。
厚生労働省の賃金は、月額の所定内給与
もうひとつが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。令和7年の結果は次のとおりでした。
| 区分 | 賃金 |
|---|---|
| 一般労働者の全体 | 34万600円 |
| 正社員・正職員 | 35万8,800円 |
| 正社員・正職員以外 | 24万1,700円 |
| 製造業 | 33万円 |
厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」
この調査でいう賃金は、2025年6月分として支払われた所定内給与額の平均です。残業代にあたる部分を差し引いた額で、税金を引く前の金額になります。調査の対象は、10人以上の常用労働者を雇っている民営の事業所52,242か所でした。
なお、表にある製造業の33万円は、製造業で働く一般労働者全体の数字です。期間工だけを抜き出したものではない点に注意してください。
2つは別のものを測っている
並べてみると違いがよく分かるはずです。国税庁の478万円は1年間に実際に支払われた額で、賞与が入っています。厚生労働省の33万円は6月の1か月分で、残業代も賞与も入っていません。
片方は年、もう片方は月。片方は残業代と賞与を含み、もう片方は含まない。この2つを同じ土俵に乗せることはできないのです。
そして期間工の「年収500万円」は、求人の条件から積み上げた見込みの額になります。実際に支払われた額の平均とも、所定内給与の平均とも、作りが違うものです。3つとも「給与の数字」ではありますが、同じものを測ってはいません。
数字を比べるときに気をつけたいのは、この点でしょう。期間工の年収が高いか低いかを知りたいなら、比べる相手を先に決めて、その相手と同じ作り方の数字を用意する必要があります。
似た比べ方の難しさは、ほかの働き方でも起きるものです。フリーターの収入についてはフリーターの平均年収はいくら?平均年収の実態とおすすめの働き方とは?で、年代でくらべた数字は20代の平均年収はいくら?年齢・男女・企業規模別の相場と、手取りを増やす選択肢で扱いました。
割増賃金は、法律でどこまで決まっているのか
期間工の月収を押し上げているのは割増賃金です。ここは法律に定めがあるので、条文で確かめておきましょう。
根拠になるのは労働基準法第37条です。
e-GOV 法令検索「労働基準法第37条」
時間外は二割五分、法定休日は三割五分
条文の第1項は、時間外や休日に働かせた場合、「二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上」の割増賃金を支払わなければならないと定めています。
法律そのものは範囲を決めていて、具体的な率は政令が定めているという構造になっています。その政令では、時間外労働が二割五分、休日労働が三割五分とされています。よく見かける「残業は25パーセント増、休日出勤は35パーセント増」という説明は、この政令の数字です。なお三割五分の対象になるのは労働基準法が定める法定休日の労働であり、会社が独自に設けた休日の労働は時間外労働の扱いです。
e-GOV 法令検索「労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令」
これは最低限度なので、これを上回る率を定めている会社もあります。求人票に「時間外30パーセント増」と書かれていれば、法律の最低限度より高い設定だと分かります。
1か月に60時間を超えた法定時間外労働は五割以上
ここが、期間工の収入を考えるうえでいちばん大きい部分かもしれません。
第37条第1項にはただし書きがあり、延長して働かせた時間が1か月について60時間を超えた場合、その超えた分については五割以上の割増賃金を支払わなければならないと定められています。ここで数える60時間は、法律が定める労働時間を超えて働いた分、つまり法定時間外労働です。
厚生労働省の資料では、この60時間の算定について、法定休日に行った労働時間は含まれず、それ以外の休日に行った労働時間は含まれると説明されていました。
工場の交替勤務では、時間外労働が重なる時期があります。それにもかかわらず、この定めに触れている解説はあまり見かけません。月60時間を境に、そこから先の1時間あたりの単価は大きく変わるということです。
たとえば法定時間外労働が月70時間だった場合、60時間までの部分は二割五分以上、超えた10時間は五割以上という計算になります。同じ「残業代」という言葉でも、単価が2段階に分かれる形です。求人票の月収例がどの残業時間を前提にしているかで、実際の金額が変わってくる理由がここにあります。
割増は「通常の賃金」に対してかかる
条文は、割増賃金を「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」に対する率として定めています。つまり、もとになる時給が高ければ、残業1時間あたりの金額も高くなるということです。
時給1,950円の求人で考えてみましょう。時間外の割増を政令の最低限度である二割五分とすると、1,950円に1.25を掛けて1時間あたり2,437円50銭。月60時間を超えた分は1.5を掛けて2,925円になります。いずれも時給に法定の率を掛けただけの単純な計算です。
時給1,200円の求人であれば、同じ計算で1,500円と1,800円。同じ残業時間でも、もとの時給が750円違えば、残業代も大きく開きます。時給を見るときは、残業代への効き方まで含めて見てください。
深夜は二割五分以上。時間外と重なれば加算される
同じ第37条の第4項に、午後10時から午前5時までの間に働かせた場合は二割五分以上の割増賃金を支払わなければならない、という定めがあります。
深夜の割増は、時間外の割増とは別のものです。夜勤で、かつ法定時間外労働になっている時間帯は、両方が重なります。深夜の二割五分と時間外の二割五分で五割以上。さらにその時間外労働が月60時間を超える部分であれば、五割に深夜の二割五分が加わって七割五分以上になります。厚生労働省の資料にもこの組み合わせが示されています。
交替制の工場で月収が伸びる理由のひとつが、この重なりによるものです。
逆に、夜勤のない日勤だけの求人では、この部分が乗りません。同じ時給でも、勤務の形で月収が変わるということです。求人票を比べるときは、時給だけでなく交替制かどうかも一緒に見てください。
法律で決まっている割増と、会社が決めている手当は別のもの
期間工の求人票には、いろいろな手当が並んでいるものです。ここまで見てきた時間外・休日・深夜の割増は、労働基準法に定めのあるものです。支払わなければならないと法律が決めているものです。
一方で、交替勤務手当、皆勤手当、赴任手当、経験者手当、食事の補助といったものは、法律が支払いを義務づけているわけではありません。会社ごとの判断で設けている手当です。
この2つは求人票のうえでは同じ「手当」として並んでいますが、性質が違います。法定の割増は、条件を満たせば支払われることが法律で決まっています。一方、会社が設けた手当は、支給の条件も金額も会社ごとの定め次第です。皆勤手当のように、1日でも欠勤すればその月は受け取れないものもあります。
年収例に何がどれだけ含まれているのかを見ておくと、確実に入る部分と、条件しだいで変わる部分の切り分けができます。
直接雇用だから高い、とは限らない
期間工の年収が高い理由として、「メーカーの直接雇用だから、派遣会社に中間マージンを払う必要がない」という説明がよく挙げられます。
この説明には、ひとつ引っかかる点があります。
中間マージンの有無で時給差が決まるわけではない
この説明が正しいなら、派遣として工場で働くより、直接雇用の期間工のほうが時給が高くなるはずです。ところが実際には直接雇用と変わらず、派遣でも同じ時給という求人があります。つまり、雇用形態のラベルだけで時給の高低は決まっていないということです。
もうひとつ、マージンという言葉の中身にも触れておきます。厚生労働省の説明では、派遣会社のマージンには、会社の利益にあたる部分のほかに、派遣会社が負担する社会保険料や教育訓練費などが含まれるとされています。まるごとが会社の取り分というわけではありません。
厚生労働省「派遣会社のマージン率等について」
実際には、時給の高低を決めているのは雇用形態そのものではありません。中間マージンをどの程度取るかは、会社によって違いますし、仕事の内容、勤務地、交替勤務があるかどうか、人が集まりにくい時期かどうか。こうした条件の積み重ねで決まるものです。
雇用形態は、働き方や契約期間の決まり方には影響します。ただし、時給の高低を直接決めるものではないという点は押さえておきたいところでしょう。雇用形態の違いについては、リゾートバイトを例にリゾートバイトは派遣?アルバイトとの違いなど雇用形態について徹底解説!で説明しました。
当社が扱う工場の求人は派遣
自動車工場での製造の仕事は、当社が扱う求人にもあります。雇用形態は派遣です。その1件の条件を挙げると、詳細は次のようになっていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 雇用形態 | 派遣 |
| 時給 | 1,950円から2,150円 |
| 昇給 | 半年後2,000円、1年後2,050円、2年後2,100円、3年後2,150円 |
| 契約期間 | 3か月から6か月以上 |
| 慰労金 | 最大60万円 |
| 寮 | あり・寮費無料 |
| 勤務時間 | 交替制 |
これは1件の求人の条件であって、当社が扱うすべての工場求人がこうだというわけではありません。ただ、派遣であっても時給1,950円という条件が存在することは、この1件から伺えます。
期間工と呼ばれる求人を比べるときは、雇用形態のラベルではなく、時給と勤務時間と手当の中身を並べてください。工場での製造の求人はその他のリゾートバイトにまとまっています。
年収から引かれるもの
ここまでは支払われる側の話でした。手元に残る額を知るには、引かれるものを見ておく必要があるでしょう。
社会保険料
健康保険と厚生年金保険の保険料、そして雇用保険の保険料が給与から引かれる形です。健康保険と厚生年金保険が社会保険、雇用保険は労働保険にあたるものです。金額はいずれも給与の額に応じて決まる仕組みになっています。
保険料を引かれるのは損だと感じるかもしれません。ただし厚生年金に入っていた期間は、将来受け取る年金の額に反映されるものです。健康保険の被保険者であれば、業務外の病気やけがで働けなくなったときに、一定の条件を満たすことで傷病手当金を受けられる場合もあります。
フルタイムに近い働き方をする場合、勤め先が健康保険と厚生年金保険の適用事業所であれば、会社の規模にかかわらず加入の対象になります。加入の条件については【2026年最新】リゾートバイトは社会保険に入れる?手取り・年収の壁を完全解説で整理しました。
所得税
毎月の給与からは、あらかじめ決められた額の所得税が引かれる形です。年末に勤め先で年末調整を受ければ、1年間の所得に応じた正しい額に精算される仕組みです。
年の途中で辞めて、その年のうちに次の勤め先へ入らなかった場合、年末調整を受けられません。このとき自分で確定申告をすると、払いすぎた分が戻ってくる場合があります。
手続きをしなければ戻ってこないお金なので、知らないままでは損になります。手続きの流れはリゾートバイトの確定申告!必要な手続きや還付金をわかりやすく解説!にまとめてあります。
住民税は翌年にくる
住民税は、前の年の1月から12月の収入をもとに計算されます。給与から天引きされる特別徴収では、翌年の6月から翌々年の5月まで、12回に分けて納める形です。働いている間に稼いだ分の住民税は、翌年に請求が来るということです。
契約が終わって収入が止まっている時期に、稼いでいた頃の金額に対する税金を納めることになります。退職した時期によって、残りの税額が最後の給与などからまとめて引かれる場合と、自分で納める普通徴収に切り替わる場合があります。
退職後の税金が重いと言われるのは、この時間差によるものです。年収が高かった年の翌年ほど、納める額も大きくなるわけです。支払いが厳しいときの相談先や減免の仕組みは無職の住民税、いくら払う?前年課税の仕組みと減免・猶予の相談先で説明しました。
なお雇用保険に入っていて条件を満たしていれば、次の仕事が決まるまでの間に失業給付を受けられる場合があります。条件はリゾートバイト後に失業保険はもらえる?条件や注意点を徹底解説!をご覧ください。
寮費の無料分は、年収に反映されない
期間工の求人のなかには、寮が用意されていて寮費がかからないものもあります。水道光熱費まで会社が負担する形も見られます。
この分は年収という数字には表れません。支払われる額が増えるのではなく、出ていく額が減るという形だからです。
家賃に月6万円かかっていた人が寮費無料の求人に移れば、年収が同じでも1年で72万円分の差になります。年収の数字だけを並べて比べると、この部分が抜け落ちてしまうのです。
逆の見方もできるでしょう。年収が少し低くても寮費がかからない求人のほうが、年収は高いが自分で家を借りる求人より手元に残る、ということが起こり得ます。比べるなら、年収から住居にかかる費用を引いた額で見てください。
一方で、寮費無料と書かれていても条件がついている場合も。契約期間の途中で辞めた場合に寮費を請求される形や、水道光熱費は自己負担という例も見られます。確認すべき点は派遣の寮費無料のからくり~知っておくべき真実と注意点~にまとめました。
寮そのものの選び方については、寮付き求人のメリット・デメリットをご紹介~快適な寮生活のために知っておくべきこと~で整理しています。
年収が高くても、残るとは限らない
年収の数字と、1年後に口座に残っている額は別のものです。ここが最後の論点です。
契約を満了できるかどうかで、満了金は変わる
満了金は契約期間を満了したときに支払われるお金なので、途中で辞めれば前提が崩れます。求人票の年収例には満了金が含まれていることが多く、その数字は契約を最後まで務めた場合のものです。
体調や人間関係で続かなかったとき、年収例との差は満了金のぶんだけ開いてしまいます。出勤率が条件になっている満了報奨金であれば、欠勤した月の分が減ることもあるでしょう。
残業の多い時期を自分で選べるとは限らない
月収例が残業20時間を前提にしている場合、残業が10時間しかない月は計算が合いません。残業の量は生産の状況や勤務先の体制によって変わるもので、働く側が毎月自由に決められるとは限らないからです。
求人票の月収例を見るときは、何時間の残業を前提にした数字なのかを確かめてください。前提が書かれていない月収例は、ほかの求人と比べる材料になりません。
逆に、残業が多い前提の月収例であれば、その残業が体力的に続くかどうかも考えることになります。4章で見たとおり、月60時間を超える残業は単価が上がりますが、それだけ働く時間も長くなるものです。
手元に残す仕組みを先に作る
年収が高くても、使う額が増えれば手元には残りません。残業や一時金で収入が増えた月ほど、そのまま使ってしまいやすいものでしょう。
給与の入る口座と貯める口座を分け、入った時点で決めた額を移してしまうのが単純で確実でしょう。残った分で生活することになるので、意志の力に頼らずに済みます。
満了金や入社祝い金のようにまとまって入るお金は、とくに注意が要る部分です。普段の生活費とは別の口座に入れてしまえば、使わずに済みます。
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よくある質問
期間工で年収600万円は可能ですか
この質問に一律で答えることはできません。年収は求人ごとの条件で決まるためです。求人票の年収例が600万円台を示している場合、その数字には残業代、深夜や休日の割増、満了金、入社祝い金などが含まれている可能性があります。確かめるべきは、それが何年目の数字で、何時間の残業を前提にしているかです。前提が崩れれば金額も変わります。
満了金はいつ、いくらもらえますか
支払いの時期と金額は求人ごとに違うものです。契約期間を満了した時点で支払われる形のほか、勤続が長くなるほど金額が上がる設計も見られます。出勤率が条件になっている満了報奨金のような仕組みもあるので、求人票で支給の条件まで読んでください。
入社祝い金は全額一括でもらえますか
分割で支払われる求人もあります。入社時に一部、数か月後に残り、という形です。この場合、途中で辞めると残りを受け取れないことになります。支払いのタイミングは求人票に書かれているので、応募前に確認しておきたい部分でしょう。
求人票の月収例は、そのまま受け取ってよいですか
月収例には前提が置かれているものです。何時間の残業を含んでいるか、交替勤務の手当が入っているか、現金で支給されないものが含まれていないか。この3点を確かめると、毎月確実に入る部分がいくらなのかが見えてきます。前提が書かれていない月収例は、参考程度に見ておくのが安全です。
期間工に賞与はありますか
求人次第です。賞与の欄がある求人もあれば、賞与の代わりに満了金や入社祝い金が設けられている求人も見られます。一般の会社員の平均給与には賞与が含まれているので、賞与のない求人と年収を比べるときは、この点を差し引いて見る必要があります。
期間工と工場の派遣では、どちらが稼げますか
雇用形態だけでは決まりません。5章で見たとおり、派遣のほうが時給が高い求人もあります。比べるなら、時給、想定される残業時間、一時金の有無と条件、寮費がかかるかどうかを並べて、手元にいくら残るかで見るほうが実態に近くなります。
リゾートバイトでいくら稼げるのかはリゾートバイトでいくら稼げる?リアルな稼ぎを大公開!とリゾートバイトの月収って実際どうなの?稼げる条件や注意点を徹底解説!で公開しています。
年収と手取りはどれくらい違いますか
社会保険料と所得税が引かれ、住民税は翌年に納めます。引かれる割合は収入や扶養の状況で変わるので、一律に何割とは言えません。求人票の年収例は、引かれる前の数字だと考えてください。手取りから逆算して仕事を選ぶ考え方は手取り20万円をバイトで実現するためには!?詳細と達成方法を徹底解説!で扱いました。
まとめ
期間工の年収が高いと言われる理由を、4つの要素に分けて見てきました。
年収という1つの数字には、毎月の基本給、残業や深夜や休日の割増賃金、契約を満了したときの満了金、そして入社した一度きりの入社祝い金が入っています。入社祝い金は最初の1年にしか入らないので、1年目の年収例と2年目の数字は同じ意味ではありません。
国の調査と比べるときは、基準をそろえる必要があります。国税庁の令和6年分では、1年を通じて勤務した人の平均給与が478万円、正社員(正職員)545万円、正社員(正職員)以外206万円でした。厚生労働省の令和7年の調査では、製造業の所定内給与が月33万円です。前者は1年間に実際に支払われた額で賞与を含み、後者は6月の1か月分で残業代も賞与も含みません。
割増賃金は労働基準法第37条に定めがあります。時間外は二割五分、法定休日は三割五分が政令の定める最低限度で、1か月に60時間を超えた法定時間外労働については五割以上です。深夜の割増は時間外とは別に加算されます。
そして年収の数字から社会保険料と所得税が引かれ、住民税は翌年に来ます。寮費がかからない分は年収には表れませんが、手元に残る額は変わります。
求人票の数字を見るときに確かめたいのは、それが何年目の数字で、何を足していて、どれだけの残業を前提にしているかの3点でしょう。ここがそろえば、ほかの求人とも、いまの仕事とも比べられるようになります。
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