無職でも住民税を払う必要があるのか
住民税は、その年の1月から12月までの所得に対して、翌年に課税される「前年課税」の税金です。そのため、今年まったく収入がなくても、前年に働いて一定以上の所得があった場合は、今年の住民税を納める必要があります。
たとえば、11月に退職してその後無職になった場合でも、退職した年の1月から11月までの所得に対する住民税は、翌年6月頃に納税通知書が届いて課税されます。退職時に「もう住民税は払い終わった」と感じる人もいますが、それは退職までの給与から天引きされていた分(前々年の所得に対する住民税)であり、退職した年の所得に対する住民税は、翌年になって改めて請求されるという時間差があります。「今は無職だから払わなくていいはず」と思い込んでいると、思わぬタイミングで請求が来て慌ててしまうことがあるため、あらかじめ仕組みを理解しておくことが大切です。
住民税の支払い方法(普通徴収・一括徴収)
会社員として働いている間は、毎月の給与から住民税が天引きされる「特別徴収」という方法で納めています。退職すると、この天引きができなくなるため、以降は自分で納める方法に切り替わります。
| 支払い方法 | 支払うタイミング・特徴 |
|---|---|
| 普通徴収 | 自宅に届く納付書を使い、年4回(原則6月・8月・10月・翌年1月)に分けて自分で支払う方法 |
| 一括徴収 | 退職時に、退職月〜翌年5月分までの住民税を、給与や退職金からまとめて天引きして支払う方法 |
一括徴収された場合、その分は既に納付済みということになるため、後から届く納税通知書と混同しないよう注意しましょう。
住民税が非課税になるケース
所得が一定額以下の場合
前年の合計所得金額が、単身世帯であれば45万円以下(給与収入のみの場合は年収110万円以下が目安)であれば、住民税は非課税になります。扶養家族がいる場合は基準額が変わります。正確な基準額は自治体によって多少異なるため、お住まいの市区町村のホームページで確認しておきましょう。
なお、住民税には所得に関わらず定額で課される「均等割」(年間5,000円程度が目安)と、所得に応じて課される「所得割」(標準税率で所得の約10%)の2種類があります。上記の非課税基準を満たすと、原則としてこの両方が非課税になります。
無職の期間が長引いた場合
住民税は前年の所得をもとに課税されるため、無職の期間が1年以上続き、前年の所得がゼロまたは非課税の基準内であれば、翌年の住民税はかからなくなります。「無職になった年」は前年の所得(会社員時代の収入)に対して課税されますが、「無職2年目」以降は、前年(無職だった年)の所得が少なければ非課税になる、という時間差がある点を押さえておきましょう。
支払いが厳しい場合は減免・猶予の相談を
失業や倒産など、やむを得ない事情で収入が大きく減少し、住民税の支払いが困難な場合は、お住まいの自治体に相談することで、減免や分割納付、徴収の猶予といった措置を受けられる可能性があります。相談の対象になりやすい事情としては、以下のようなものが挙げられます。
- 倒産・解雇・自己都合により退職し、所得が前年と比べて著しく減少した
- 本人や扶養家族が大きな病気にかかり、多額の医療費を支払った
- 災害によって住宅や家財に大きな被害を受けた
納付期限を過ぎてから相談するより、期限前に区役所・市役所の税務担当窓口へ早めに相談する方が、選択肢の幅も広がります。
なお、確定申告や住民税申告の手続き自体については、以下の記事でも詳しく解説しています。
「無職の確定申告、必要?不要?還付されるケースと申告のやり方」
よくある質問
Q. 住民税の納税通知書はいつ頃届きますか?
A. 普通徴収の場合、例年6月頃に1年分の税額が記載された納税通知書が送付されます。年4回(6月・8月・10月・翌年1月が目安)に分けて納付する方法と、一括で納付する方法を選べる自治体が多くなっています。
Q. 引っ越した場合、住民税はどこに納めればいいですか?
A. 住民税は、その年の1月1日時点で住んでいた市区町村に納めます。年の途中で引っ越しても、納税先はその年の1月1日時点の自治体のままです。
Q. 住民税を滞納するとどうなりますか?
A. 納期限を過ぎると延滞金が発生し、滞納が続くと財産の差し押さえなどの滞納処分につながることもあります。支払いが難しい場合は、滞納する前に自治体へ相談することが大切です。
今のうちにできること
無職になった年は、前年の所得に対する住民税の請求がまだ残っている一方で、今の収入は途絶えているという、収入と支出のタイミングがずれやすい時期です。この「収入が少ない・ない期間」をどう乗り切るかが、住民税の支払いを含めた当面の資金繰りを左右します。
収入源を確保したい場合は、住み込みで働けるリゾートバイトも選択肢の一つです。
寮費・水道光熱費が原則無料または格安の求人が多く、生活費を極限まで抑えられるため、手元の貯金を大きく減らすことなく、前年分の住民税を支払うための原資を短期間で作りやすくなります。翌年以降の生活も立て直しやすくなるでしょう。
まとめ
無職の状態でも、前年に一定の所得があれば住民税を納める必要があります。前年課税という仕組みを理解し、非課税になる条件や、支払いが厳しい場合の減免・猶予制度も把握しておきましょう。
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