日本一周とは?距離・定義の基本
「日本一周」に公式な定義はなく、人によって意味が異なります。代表的なパターンは以下の通りです。
| ルート | 距離目安 |
|---|---|
| 本州・北海道・四国・九州の主要海岸線を巡る(基本) | 約12,000km |
| 海に面していない8県も内陸経由で巡る | 約14,500km |
| 大きな半島をフェリーで省略 | 約10,000km |
| 47都道府県の県庁所在地をすべて回る | 約8,000km |
| 岬・離島まで丁寧に巡る | 約20,000km |
最も一般的なイメージは「海岸線に沿って日本列島を一周する約12,000km」です。この記事では約12,000kmを基準に、費用・期間の目安を解説していきます。
日本一周にかかる費用の総額目安
日本一周の総費用は一般的に30万〜500万円のレンジで語られています。レンジが広い理由は3つです。
- 移動手段による燃料費の差:燃費13km/Lの車で12,000kmを走るとガソリン代は約15万円ですが、徒歩2年なら生活費だけで200万円超になります
- 期間に応じた食費・生活費の累積:1日3,000円の生活費でも、2年続ければ200万円を超えます
- 宿泊スタイルの選択:車中泊・野宿と毎晩ホテル泊では、月に数十万円の差が生まれます
これらの組み合わせ次第で、同じ「日本一周」でも費用は数百万円単位で変わります。
【移動手段別】日本一周の費用と期間
移動手段によって費用・期間・旅のスタイルは大きく変わります。下表で全体像を把握した上で、ご自身に合う手段を選びましょう。
| 移動手段 | 費用目安 | 期間目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 車 | 50〜200万円 | 1〜3ヶ月 | 快適・荷物が多い旅向き |
| バイク | 50〜100万円 | 1〜3ヶ月 | 機動力・小回りが利く |
| 自転車 | 30〜150万円 | 半年〜1年 | 燃料費ゼロ・体力前提 |
| 徒歩 | 200〜500万円 | 1〜3年 | じっくり旅・長期前提 |
| 公共交通 | 40〜80万円 | 1〜2ヶ月 | 運転不要・観光中心 |
車・バイク(50〜200万円・1〜3ヶ月)
車とバイクは、最もポピュラーな日本一周の手段です。エンジンで距離を稼げる反面、ガソリン代・フェリー代などの交通費や維持費がかかります。
燃費13km/Lの車で12,000kmを走ると、ガソリン代は約15万円(1L160円換算)。ただし昨今の燃料費高騰により、価格は1L170〜180円前後で推移しているため、実際は1〜2割多め(16〜18万円程度)に見積もっておくと安心です。北海道へ渡る際の津軽海峡フェリー(函館〜大間)は普通車1台でA期間17,000円が目安です。本州〜四国間も高速道路(神戸→鳴門で約3,300円※ETC休日割引適用時)の利用が必要になるため、フェリー・高速代として数万円は見込んでおきましょう。
車種によってガソリン代は大きく変わります。軽自動車(燃費20km/L)なら約9.6万円、ミニバン(15km/L)なら約12.8万円、キャンピングカー(8km/L)なら約24万円と、車選びの段階で数十万円の差が生まれることも覚えておきたいポイントです。
自転車・徒歩(30〜500万円・半年〜3年)
燃料費はかかりませんが、長期間の食費・宿泊費が総額を押し上げます。1日2,000〜3,000円の生活費で見ると、自転車は半年で36〜54万円、徒歩は2年で146〜219万円が目安です。
さらに、装備費として別途10〜20万円程度を見込む必要があります。自転車ならツーリング用の車体・パニアバッグ・修理キット、徒歩なら高性能なバックパック・テント・シューズなど、長旅に耐える道具への初期投資は削れません。
スピードより体験を重視し、地域や人との出会いをじっくり味わいたい人向きです。時間をかける分、その土地の暮らしや人とのつながりが深くなるのは、車では得がたい魅力と言えます。
公共交通(40〜80万円・1〜2ヶ月)
電車・バス・フェリーを組み合わせる方法は、運転の負担なく旅できる点が魅力です。周遊パスを活用すると費用を大幅に抑えられます。
- 青春18きっぷ:5日間用12,050円・3日間用10,000円。JR普通・快速が乗り放題
- 北海道&東日本パス:連続する7日間で11,780円。東北・北海道のJR線に加え、青い森鉄道・いわて銀河鉄道など一部の第三セクター路線まで利用範囲が広がる
なお、青春18きっぷは2024年冬季発売分から仕様が変更され、従来の「期間内の好きな日に使える」方式から「連続する3日間または5日間」の利用に変わりました。日本一周のように長期間かけて飛び飛びに移動する旅では、きっぷの有効期間に合わせて移動日をまとめるなど、旅程設計の工夫が必要です。
運転免許がない人、長距離運転に不安がある人、車窓からの景色や駅弁といった「鉄道旅ならではの楽しみ」を味わいたい人に適した選択肢です。きっぷの価格・仕様は改定される場合があるため、出発前に最新情報の確認が必要です。
【貯金額別】予算で選ぶ日本一周のスタイル
「自分の貯金で本当に行けるのか」という疑問は、日本一周を検討する方が一番気になるポイントではないでしょうか。本項では貯金額別に、現実的なスタイルを整理しました。
| 貯金額 | 実現可能スタイル | 期間目安 | 推奨手段 |
|---|---|---|---|
| 30〜50万円 | 節約徹底型(車中泊・自炊) | 1〜2ヶ月 | 軽バン・公共交通 |
| 50〜100万円 | 標準型(ライダーハウス併用) | 2〜6ヶ月 | バイク・自転車 |
| 100〜200万円 | 快適型(ホテル・外食あり) | 1〜3ヶ月 | 車(宿泊込み) |
| 200万円以上 | 自由設計(長期・徹底周遊) | 1〜3年 | 徒歩含む全選択肢 |
貯金30〜50万円:節約徹底型(車中泊・自炊中心)
貯金30〜50万円でも日本一周は可能ですが、宿泊費・食費を徹底的に抑える節約スタイルが前提になります。最も現実的なのは軽バンの車中泊・自炊中心の旅です。
軽バンで1〜2ヶ月なら30〜40万円台、自転車の野宿・自炊主体で半年なら30〜50万円が現実的なラインです。公共交通も、短期集中型で観光を絞れば総額を抑えられます。
このスタイルでは観光や外食を控えめにし、旅の目的を「移動と体験」に絞る覚悟が必要です。想定外の出費に備え、総額の10〜15%(3〜7万円)は予備費として確保しておきましょう。
貯金50〜100万円:標準型(ライダーハウス・ゲストハウス併用)
50〜100万円あれば、バイクや自転車での標準的な日本一周が視野に入ります。車中泊や野宿だけに頼らず、ライダーハウス(無料〜2,000円程度)やゲストハウスを織り交ぜることで、体力の回復と旅の快適さのバランスが取れます。
期間は2〜6ヶ月と余裕を持てるため、「急いで回る」のではなく「気に入った土地に数日滞在する」という柔軟な旅程が組めるのがこの価格帯の魅力です。
貯金100〜200万円:快適型(ホテル泊・外食あり)
100〜200万円の予算があれば、ビジネスホテル泊と外食を取り入れた車旅が可能になります。数日おきにホテルでしっかり休みながら、その土地の名物料理も楽しむ。「節約のストレスを感じない日本一周」がこの価格帯です。
期間は1〜3ヶ月。体への負担が少ないため、長距離運転に不安がある人や、旅の質を重視したい人に向いています。
貯金200万円以上:自由設計(長期・徹底周遊)
200万円以上なら、徒歩での長期旅や、離島・岬まで含めた徹底周遊も実現可能です。期間も1〜3ヶ月から1年超まで自由に選べます。
資金に余裕があるからこそ、宿泊や食事、観光体験へ投資して旅の質を高められます。予備費として総額の10〜15%(20〜30万円)を確保しておくと、車の故障などのトラブル時にも安心です。
日本一周の費用内訳(1週間あたりの目安)
費用の見当をつけやすくするため、車中泊スタイルの1週間あたりの費用内訳を整理しました。
| 費目 | 1週間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 食費 | 約21,000円 | 1日3,000円(自炊+地元グルメ少々) |
| 宿泊費 | 約11,000円 | RVパーク2泊(2,500円×2)+ホテル1泊(6,000円) |
| 観光費 | 約10,000円 | 入場料・体験アクティビティ |
| 交通費 | 約5,000円 | フェリー・高速代の週割り |
| ガソリン代 | 約7,500円 | ミニバン(燃費15km/L)で700km走行 |
| 温浴費 | 約1,900円 | 銭湯・温泉・道の駅の温浴施設 |
| 合計 | 約56,400円 |
節約を徹底すれば食費・観光費を削って週3〜4万円台も可能です。逆に観光・外食を楽しみたいなら週7〜10万円程度の余裕を見ておくとよいでしょう。
1ヶ月(4週間)に換算すると約22万円、2ヶ月の旅なら約45万円が標準的なラインになります。この数字に車両代・装備費・予備費を加えたものが、実際に準備すべき総額の目安です。「予算が足りない」と感じた場合は、後述する節約術や、旅の途中で収入を得る方法を検討してみてください。
費用を抑える節約術
車中泊(道の駅は「仮眠」が基本)
宿泊費の節約に有効な車中泊ですが、「道の駅でそのまま寝ればいい」という認識は正確ではありません。国土交通省は道の駅での宿泊目的の利用を遠慮するよう求めています。あくまで運転の疲れを取るための「仮眠」が基本であり、連泊やキャンプ行為はマナー違反です。
長期滞在には全国のRVパーク(1泊2,000〜3,000円)やオートキャンプ場(1泊1,000〜2,000円)が安全な選択肢です。トイレ・電源・ゴミ処理などの設備が整っており、安心して車中泊ができます。
自炊・食材の計画的な購入
バーナーとメスティンがあれば、スーパーで買った食材で1食300〜500円に抑えられます。外食中心の食費と比べると月数万円単位の節約になります。道の駅の地元野菜コーナーは新鮮で安く、自炊派の強い味方です。
ただし「食費を削りすぎない」ことも大切です。旅先の名物料理はその土地でしか味わえない体験のひとつ。「普段は自炊、ここぞという場所では外食」とメリハリをつけるのが、節約と満足度を両立するコツです。
観光施設の割引パスを活用
地域によっては複数施設に割引価格で入れる観光パスポートが存在します。訪れる予定のエリアで使えるパスを事前に調べておきましょう。クーポンサイトやその土地の観光協会サイトも、出発前にチェックしておくと無駄な出費を減らせます。
出発シーズンとルートの選び方
日本一周のおすすめは春〜夏スタートで北海道を目指し、そこから南下するルートです。暑い時期に北海道で避暑をして、涼しくなってきたタイミングで気温の高いエリアへ移動できます。
逆に冬の北海道・東北は積雪・路面凍結のリスクが高く、車中泊の防寒対策も大掛かりになります。特に初めての日本一周では、冬の豪雪地帯を避けるルート設計が安全面でもコスト面でも有利です。
リゾートバイトで「稼ぎながら日本一周」する方法
日本一周のイメージは「まとまった資金を貯めてから一気に旅する」という形が多いですが、実は稼ぎながら旅する方法があります。それがリゾートバイトを活用した「働く日本一周」です。
なぜリゾートバイトが日本一周に向いているのか
リゾートバイトは、全国の温泉旅館・ホテル・スキーリゾートなどに住み込みで働く方法です。住み込みのため家賃・食費がほぼかからず、収入をそのまま手元に残しやすい構造になっています。
- 月10〜20万円の貯金も現実的な水準
- 勤務地は北海道から沖縄まで全国に存在
- 1〜3ヶ月単位で拠点を変えられる
- 次の勤務地への交通費が支給されるケースが多い
通常の日本一周では「お金が減っていく」一方ですが、リゾートバイトを組み込めば「お金を増やしながら日本を回る」という逆転の構造が生まれます。旅の資金が尽きる心配がないため、期間の制約からも解放されます。
また、観光として数時間立ち寄るだけでは見えない、その土地の日常や地元の人とのつながりを体験できるのも、働きながら回るスタイルならではの魅力です。数ヶ月住んだ土地は「訪れた場所」ではなく「暮らした場所」になります。
季節を追う働き方の例
リゾートバイトの求人は季節ごとに繁忙期のエリアが変わるため、「季節を追いかける」ように勤務地を選ぶと、効率よく全国を回れます。
| 季節 | 働く場所の例 |
|---|---|
| 春 | 長野・信州の温泉旅館 |
| 夏 | 北海道のリゾートホテル・牧場 |
| 秋 | 東北の温泉地・紅葉の名所エリア |
| 冬 | 長野・新潟のスキーリゾート、または沖縄 |
繁忙期のエリアは求人数が多く時給も上がりやすいため、「行きたい場所」と「稼ぎやすい場所」が一致しやすいのがこの働き方の利点です。勤務地を変えるたびに新しい土地を拠点にできるため、「働きながら日本各地を体感する」という旅のスタイルが実現します。
各勤務地では休日を使って周辺観光ができます。たとえば北海道で働けば休日に富良野や美瑛を巡り、沖縄で働けば離島まで足を延ばす。観光客として数日で回るのとは違う、じっくりとした土地の楽しみ方ができます。
日本一周の資金準備にも使える
まず3〜6ヶ月リゾートバイトで資金を貯め、その後一気に旅するという使い方も有効です。住み込みで生活費がかからない期間に50〜100万円を貯金してから出発すれば、旅の途中でお金の心配をする必要がなくなります。
実際に「働きながら全国制覇」を目指している人もいる
リゾートバイトで勤務地を転々としながら、全都道府県制覇を目指しているベテランリゾートバイターも実際に存在します。お休みの日はその土地を巡り、全国各地を堪能しながらゆっくりと日本を回る。時間はかかりますが、「稼ぎながらの日本一周」が絵空事ではないことを体現している存在です。

リゾートバイトで全県制覇まで残り2県のベテランリゾートバイター
「一気に回る旅」と「働きながらゆっくり回る旅」、どちらが自分に合っているかを考えてみるのも、日本一周計画の面白いところです。
まとめ
日本一周の費用は移動手段・宿泊スタイル・旅の期間によって30万〜500万円のレンジで変動します。
- 車・バイク:50〜200万円・1〜3ヶ月が目安
- 自転車・徒歩:30〜500万円・半年〜3年が目安
- 公共交通:40〜80万円・1〜2ヶ月が目安
ご自身の貯金額を軸に「どのスタイルなら実現できるか」を逆算することで、漠然とした夢が具体的な計画に変わります。予備費として総額の10〜15%を確保することも忘れずに。
資金準備にも、旅そのものにも活用できるのがリゾートバイトです。全国各地に求人があり、働きながら日本一周する夢を現実にした人も多くいます。まずは求人をチェックするところから始めてみてください!














